フリーマーケットで買った300円の積木(1)

1年前、ふと立ち寄ったフリーマーケットで買った300円の積木。2歳7か月になる一人娘は、その積木を使って本格的に遊ぶようになった。

私は現在55歳。妻は40歳である。妻と結婚したのは、今から3年前のことである。35歳を過ぎてから2006年に妻と出会うまでの1年1年の長さは、今思うと正にアッという間であった。

妻と暮らすようになり娘が生まれてからの1年はと言うと、同じく正にアッという間であった。しかし、何が違うかというと1年の重さがまるで違う。

39歳で会社を辞め、脚本家になろうとアルバイトをしながら、日本脚本家連盟の教室に2年間通った。その面白かったこと。今にして思うと39歳で会社を辞め、プロの脚本家に1から成るなどということは、人生を棒に振ったも同然。宝くじの一等を狙うようなものである。

今の1年の重さ。それは現在の娘の体重に近いかも知れない。娘は、今15キロ。一人で暮らしていたあの頃の1年の重さはというと、娘の誕生時の体重3,515g位なのかも知れない。

フリーマーケットで買った300円の積木も、今では家族の一員のように思える。

夜な夜な積木たちは、何を思い、語り合っているのだろうか。